ExifとかDCF

喧嘩を仕掛けているわけではないだろう。しかしキヤノンにしてみれば、圧倒的なシェアを背景にしてエプソンがデジタル画像の“囲い込み”をPIM(Print Image Matching)で行っているように見えるのかもしれない。
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Exifデジタルカメラ撮影時の様々な情報を含む画像フォーマットを定義した規格で、JIFF JPEGと非圧縮RGB TIFFベースの画像に、標準化された様々なタグが付加されており、解像度やサイズ、色域、露出、感度、測光モード、撮影日、メーカー名、機種名など、多岐に渡るデータが収められている。

このExifは、デジタルカメラで強い影響力を持つJCIAで策定されているため、世界的にも標準フォーマットとして認知されており、多くのフォトレタッチソフト、画像ビューアあるいはOSが対応している。例えば、Windows XPデジタルカメラ画像のプロパティを開き、[概要]タブをクリック。[詳細設定]ボタンを押すと、詳しいExifデータを参照できる。

そのExifの新規格であるバージョン2.2を策定するにあたって、エンドユーザーが自動的に写真を出力する際、高品質の印刷結果を手軽に入手できるような仕様が新しく追加された。Exif 2.2にExif Printの名称が与えられているのは、追加された仕様の多くが印刷に関連したものだからである。キヤノンiプリンタシステム開発センターの坂上渉氏によると、そのコンセプトは「いい絵はそのままに、撮影者の意図を反映し、ミスショットを救済して、シーンに適した好ましい絵を印刷すること」だという。
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このように、メリットばかり見えるExifPrintは、確かに消費者にとって、より良い写真印刷環境に近付くための最初の一歩だろう。しかし、インクジェットプリンタに詳しい読者は、Exif Printに近い位置付けのもう1つの規格を憶えているだろう。エプソンのPIMである。

PIMはExif Printに盛り込まれているタグに加え、プリンタ側の色域情報も標準化し、さらに印刷時に利用できると思われる非常に多くのタグを定義した規格だ。エプソンはPIMを自社製品に組み込むとともに、他のデジタルカメラメーカーにも対応を呼びかけてきた。さらに、ライバルであるキヤノン製プリンタ側でも(プリンタの写真印刷能力をより引き出すために)PIM対応するように働きかけた。

しかし最初のPIMはExifタグのメーカーノート(自由に情報を記録する場所)を用いて情報を記録していたため、JCIA内で「1社が独自で決めた規格は望ましくない。決めるならばExifの標準仕様として決めるべき」との意見が噴出し、JCIAで企画案を持ち寄ることになったというのが、これまでの大まかな経緯である。
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つまりエンドユーザーから見れば、簡単に美しい印刷結果が得られれば、その手段は問わないと言える。しかし激しいシェア競争を繰り広げる企業にとってみれば、スタンダードの主導権争いは死活問題だ。インクジェットプリンタでの圧倒的なブランドロイヤリティの高さを誇るエプソンだが、その一方で写真業界でのキヤノンという存在の巨大さに悩む同社の姿も垣間見える。

わーお.VHS vs. ベータマックスもそうだが,共通規格策定ってのはゴタゴタの種ですな.今はもうExif 2.2が完全に一般化してるようだが.
Exifってのはカメラが作成したJPEGファイルの隅っこに撮影日時や明るさ条件とかを付記するときの規格.ファイルの作成日時と写真の撮影日時は別だから,ファイル内に書き込んでおかないと分からなくなり得る.
DCFってのはUSB接続やSDメモリーカードとかを使えるカメラが内部で写真を保存するときの名前付けとかの規格.デジカメをUSB接続したりすると E:\\DCIM\100SANYO\ みたいなディレクトリ内に写真が入ってると思うが,これはDCF仕様に従っているのだ.

それはともかく,私が欲しいのはWindows Scripting HostのJScriptExifの写真撮影日時を取得する方法なんだが... データ構造の仕様を元にバイト列から切り分ける体力は,ちょっとないぞ.(今は代わりに [http://msdn.microsoft.com/library/ja/script56/html/jsprodatelastmodified.asp:title=File#DateLastModified] を使ってる)

*1:微妙に古いが,十分過ぎる位だろう.最新版は20 k円くらい出して買わないといけない.