Sommerfeld展開
CPUの創りかたの話題だけでは何かちょっとアレなので, Ashcroft and Mermin, Solid State Physics, Thomson Learning のAppendixにあるSommerfeld展開の話で省略されている式変形をここに書いておこう.Sommerfeld展開とは,Fermi関数を
とするとき, の近くで急激な変化をしない任意の関数H(E)について以下の変形が使えるというものだ.
,
ここで
テキストでは の数値的評価のために "by elementary manipulation" として以下の式を与えている.
,ここでζはRiemannのζ関数.
こいつの証明.まず を定義する積分の被積分関数は偶関数なので
であり,これに
を代入すると
を得る.なお,特に
である.これは 杉浦,解析入門I,東大出版 では第IV章 積分法,§13 一様収束と項別微積分,例11(Arcsinの級数展開とその応用)や第V章 級数,§4 アーベルの定理,例1(絶対値が単調に0へと収束する交代級数の収束)で扱われている.