テスターの+端子と-端子

DC電圧を計るときは+端子を高電圧側(電源の+に近い側)に当て,-端子を低電圧側に当てる(当然だ).こうすると電流は+端子からテスターに流れ込み*1,テスター内のコイルで電磁誘導により指針を動かし,-端子から流れ出して元の回路に入る.
では抵抗を計るときは.内部の電池で電圧をかけ,Ohmの法則に従って流れる電流から電圧を求める.ここで「流れる電流」はどっち向きに流れるか? 先程と同じ向きに流れる(少なくとも私のテスターではそのようだ).すなわち-端子から回路に流れ込み,+端子からテスターに流れ込む.つまり-端子が高電圧側になっている.マイナスなのに高電圧... うーむ.ここを自動的に切替えてくれる製品もありそうなものだ.
この違いはダイオードの導通を見るときにちょっと問題になる.ダイオードのアノードに-端子を,カソードに+端子を当てると電流が流れて「導通アリ」になる,
いや確かにダイオードにはカソード側に帯状の印が入ってるんだけどさぁ(回路記号の ┨<|- の帯を思い出せばよい),まだ慣れてないから基板に付けてからダイオードそのものと離れた接点で導通を見るとどう流れるのか一瞬では分からず「ありゃ,どうなってるんだっけ」みたいな.これを書いている今では当り前に思えるんだけど,それがそうでないのが正に「初心者」なのよね.ダイオードの帯見てもどっちがどっちかは一瞬悩まないといけなかったし.

*1:テスター内には大きな内部抵抗があるので,流れ込む電流は少ない.よって回路が「並列」になってしまう悪影響は小さく抑えられる.ただし私の安物のテスターでは2kΩ/Vすなわち5Vレンジでは10kΩの内部抵抗しか持たないのでそれ程「小さい」とは言えないかもしれない.ここがアナログテスターの値打ちを決めるとテキストで解説されていた.