気体の運動学,輸送現象とかをかじってみようと思う

一昨日 id:flappphys:20081110#p1 書いた「運動量が保存しない」とかいうのは大嘘である.微分に惑わされるとこういう恥ずかしいことになる... と言うか何の運動量だって話なんだけど.
以下,次に図書館で借りる本に関するメモ:
N個の粒子集団の分布の時間発展を6N次元相空間上で表すLiouville方程式を,N個の連立方程式に書き直すことができる.これがBBGKY*1階層 (Bogoliubov-Born-Green-Kirkwood-Yvon hierarchy) で,これを先頭で打ち切ると,同じ粒子集団の6次元相空間上での分布の時間発展を表すBoltzmann方程式が得られる.(量子力学で言う不可弁別性とは違うが)粒子の区別を無視したのだと考えてよいと思う.さらにこれに対し形式的パラメタεを導入し,Boltzmann方程式をεの形式的級数に展開した後に1次の項を取ってε:=1 に戻すと(Chapman-Enskog展開),流体力学における保存則の表現であるNavier-Stokes方程式他が得られる.ここでNavier-Stokesレベルの,物質の巨視的性質を現す係数が,Boltzmannレベルの微視的な係数を使ってあらわに表せることに注意.
... と,そういう話が詳しく書いてあるはずの本:

  • Uhlenbeck and Ford, Lectures in statistical mechanics, American Mathematical Society
  • Ferziger and Kaper, Mathematical theory of transport processes in gases, North-Holland

私の知識で読めるものなのかは知らないけどね.こないだ Haag, Local Quantum Physics, Springer というのを借りて痛い目を見た(笑

*1:ググるとスイスのどっかのファンドのアメリカ市場での銘柄記号もひっかかる(笑