Gaussian beamとレンズ

レーザーにおいてはGaussian beamが基本となるので「光は直進する」から始まる幾何光学の単純なイメージは誤りである.とは言っても「λ→0の極限で一致する対応物」というイメージを念頭に置いて光学系をいじっていることが多い.
しかし理解不足のせいで誤った対応イメージを抱いていたことに気付いた.

  1. Gaussian beamのビームウェストには幾何光学の焦点が対応する.
  2. 光を凸レンズで集光し,そこから焦点距離だけ離して2枚目の凸レンズを置くと,幾何光学の範囲内では平行光線が実現できる.これは無限遠に焦点が置かれたことに対応する.
  3. しかし同じ操作をGaussian beamに対して行うとウェストは2枚目のレンズと一致するというモデルなはず.どうしたって拡散してゆくので,一番狭いのはレンズ位置だから.それでは焦点はレンズ位置なのか無限遠なのか? 左右に少しずらしたらどうなるのか? とか悩んでしまった.

ビーム・パラメタq = z + i z_RのABCD行列による変換を一度でも教科書に従って追えば,理解できるはずのことなんだが... Fraunhofer回折なんだっけか.