アイデンティティの危機
Naiveな方法として円電流の作るvectorポテンシャルの解析解に出て来る完全楕円積分をTaylor展開((The Wolfram Functions Site > Elliptic Integrals > EllipticK[z]
> Series representations > Generalized power series > Expansions at z==0 および 同 EllipticE[z]
> Series representations > Generalized power series > Expansions at z==0 に書いてあったのを信じた.ただしMathematicaでは上の定義の をzとして引数にしてる(確かに2乗ずつしか出てこないもんな).))
で(何となく)30項60次まで取って計算させてみた.ここで はいわゆるPochhammerの記号*1で
であり,特に
またはΓ関数で
または
である.kはr, zの関数なので(円柱座標で)rotを計算させたら1ページ分くらいになったが,さすがはMathematica,きちんとグラフを描いてくれる.
しかしE(k)はともかくK(k)の方がTaylor展開と非常に相性が悪いようだ.kが0.95を超えるとズレが出て来る.(積もった演算誤差か?) k>0.95 となる位置は円電流の中心付近で,ここには原子は来ないので(真空槽の外!)気にしなくてもいいはずだが,しかしそうやって描いたポテンシャルのグラフをMetcalfらの図と比べるといかにもおかしい挙動が目に付く.やはり力任せのTaylor展開はよくない.明日は彼らの方法を本当にフォローしてみよう.
うーむ,こんなことに時間を取られたというのははっきり言って屈辱そのもの.この私が計算機にこの程度の仕事もさせられないなんて! CalcCenterがうまく扱えない... というか手足として扱えるように作られてない.やはりCalcCenterは「ちょっといい電卓」としか言いようがない.