散乱問題

やり込むにはかなりの専門的な知識と訓練を必要とするが,ついつい「めんどくさい」と思ってしまう単調作業とは切っても切れない関係にある.その辺りコンパイラ作成と似ている気がする. ...いや,それは何でも共通かな?

午前中は散乱問題の勉強をしていた.積分方程式の利点としては「解の微分可能性に思い煩う必要がない」というのを知っていたのだけど,「定積分の形で境界条件を合わせて一望の下にできる」というのもあるようだ.これまであまり実用の機会がなかったのでGreen関数はまだ「ここで使えばいいんだよ」と言われるままに使うことしかできないけど,とりあえず便利なものだな.

1次元自由粒子の反射/透過の問題から始まって,部分波展開やLippmann-Schwinger方程式に進み,いくつかの近似法と精密化に触れる.例題や実際の物理量の評価も多く,また数値計算との相性にも触れている良書だと思った.ただ後半はそこそこ難しく,素粒子原子核の方面でしか使いそうにない話も多いので,半分くらいまでしか読まないだろう.