土井研を訪ねた

ソフトマター班の仲間と3人で,17時から1時間近くも色々な話を伺った.色々持ってきていただいたゲル等で実演もしていただいて,ありがたいことだ.

  • いわゆる「ソフトマター」の研究というのはとても自由度の高い分野のようだ.文化的には保守的な人間の私には戸惑うことが多い.こちらの想像力を問われている気がする.しかも,どうでもいい実験と深い物理につながる実験とは,この分野では難易度から区別することはできないようだ.
  • 「じゃあ○○の性質を調べるには普通どうするものなんですか?」「いや今までそういうことを調べた人はあまりいない」「××とおっしゃいましたが,それは△□のせいですかね?」「さぁ詳しくは分からない,考えてみたら論文になるかもよ」みたいなやりとりが頻発した.
  • ちょっと油断すると(笑)すぐにメカニズムが未解決の話に踏み込んでしまうようだ.溶媒と溶質からなる系を扱うことになると,そういう内部構造を考慮に入れたモデルが必要で,単純な密度場とかではマズそう.普通の流体では対流とかの解析は確立されてるが,そんなモデルではどうなるのやら.溶質の沈殿や凝集はどうなるのか,どんな力がどの程度効いてくるのか.溶媒が蒸発しようものなら,いわゆる「界面の現象」が出てきて一筋縄ではいかない.そしてその上で時間軸に沿った発展を考えることになる.
  • 今日は主に基礎的な話を伺うまでに留めて終了.今後ちょくちょく顔を出して少しずつ色々なアドヴァイスをいただくことに.個人的にはゾル-ゲル転換に興味があるんだけど,どうなるやら.相転移の制御は(加熱以外で)外からできるもんなのかな.鉄粉を磁力でかき混ぜたら,という話も出たが,さて.

土井研から退出し,玄関前でソフトマター班の仲間との帰り際の会話:

わたし 「ソフトマターはみんな関心持ってそうな分野だから,集まってきたやる気ある人の後をついて行けば,自分はあまり汗をかかずに済むと思ったのにな〜」
仲間A 「あーオレもそう思って選んだ」
仲間B 「3人ともそうだったのか」

しかし現状では相対的に見て「やる気ある人」になってしまった罠(ぉぃ
やるからには可能な限りよいものを目指してやらねば.しかし時間が絶対的に足りない...