Yet Another 「光のメモリ」

おやつタイムにこの論文を持って行った: Zhu, Gauthier, and Boyd, Stored Light in an Optical Fiber via Stimulated Brillouin Scattering, Science 318, 1748--1750 (2007).誘導Brillouin散乱*1というのは(ときどき目にする割に)不勉強にしてよく知らないが,ともかく長い光ファイバに光パルスを入れると(いわゆるポンプ・プローブ法風に2種類)それがファイバのガラス材の音波パルスに変換され,10 ns程度の後に光パルスに戻せたらしい.光のメモリ.極低温原子の分野でEIT: Eletromagnetically Induced Transparencyを利用した "ultraslow propagation" とか "stopped light" がけっこう盛ん*2なので,同目的の別手法として興味を惹かれたのだ.
さて,そこでの会話:

ふら:「これを見て'50年代のコンピュータ黎明期に使われていた水銀遅延線メモリ*3思い出しましたよ」
先生:「そんなことを覚えてるとは,さすが経験が長いね!」

Eckert, Mauchlyの同時代人ですか私は(笑

*1:http://www.sde.co.jp/terminology/hyper-dictionary/50-ya/yu/stimulated_brillouin.html 株式会社エスディイー > 最新情報通信用語:ハイパー辞典 > 誘導ブリルアン散乱

*2:井上研に来てるポスドクAさんの仕事 quant-ph/0611097 とか,Harvardの大物の仕事 http://www.cfa.harvard.edu/Walsworth/Results.html を参照.

*3:wikipedia:"水銀遅延線"