「専門家って分からないことばかり言う」ってよく耳にする

ときどきlabの人々(物理が専門なので計算機の知識はユーザとしての知識)に「(ふら)君はLispが得意なんでしょ? じゃあこの作業をLispでちゃちゃっと終わらせちゃえるんじゃない? 見てみたいなー」とか冗談で言われるんだが,気の利いた答えを返せたためしがない.これはあまり健全なことではないと思っていて悩んでいるのだが...

  1. そのタスクの解決にLispより向いている既存の手法やシステムがすぐに思い当たる
  2. 解説すべき事柄がある局面では知識のギャップが大きく,基礎事項について述べるだけで終わってしまいそう
  3. 解説したところで私とlabの人々が共有する目的である物理の理解には結びつかない

そう言えば実験データを蓄積したフォルダのバックアップを「いつかやってね」と言われていたんだった.これはclispを入れてCommon Lispで何か書くより,Windows標準のタスク・スケジューラとxcopyで実現するのがよいだろう.Windows Scripting Hostも使える.Vector辺りを探せば専用ツールもすぐ見つかるだろう.それよりバックアップ対象,頻度,実行中に他作業に及ぼす影響,バックアップ先の外付けディスク等,運用方法についての決定が重要だ... これがギョーカイでプログラマよりSIerが大事とか言われる現実の一端なんですな.