卒論発表
それでも私は,自らの大学卒業へ向けて卒論発表へ赴く.気合を入れて...
限られた時間で,あまり普遍的とは言えない内容を「自分のやった仕事」として言い立てねばならないのがこの種の常だが,なるだけ多くの人に伝わるとよい.「昨年に発表した先輩はここまで進めていた」という縛りがない利点もあるのだし.
工6号館 3階 セミナー室Aにて14:40からです.
追記: 発表オワタ\(^o^)/
思ったよりうまくできないもんだ.直前は思いの外かなり緊張した.まぁそういうものか.だから練習をするんだもんな.でも言うべきことは言えた.
聴いてくださった方,ありがとうございました.K村さんとはもう少しお話できればよかったかもしれない.
「磁気トラップされた原子」の写真について「今朝6時」と書いたのは,別に我々卒研生が徹夜で粘って撮ったという意味ではない.その時間帯は布団で寝てた.Ksさん,Kbさん,それと徹夜まで行かなくとも前日ずっと粘ってくださったAさんの努力の賜物です.「今朝6時」があんなに大ウケするとは思わなかった.字は小さかったのにねぇ.磁気トラップの運用は光学系とのコンビネーションやらタイミング・シーケンスやら色々あるので完全に我々の範囲外であり,上の皆様の苦闘をただただ祈るように見守っていただけだった.
そしてあの写真,あれは磁気トラップした原子cloudそのものの吸収imaging画像ではない.あれはMOTを切った後,(スピンをlow-field seekerに揃えるpumpingもせず)適当にガッと磁気トラップを動かしてcloudの適当な一部を掴み,5秒ほど待った後に磁気トラップを切って再びMOTで再捕獲したもの.MOT内では散乱されたMOTレーザーでcloudが光って見えるのでそれをそのまま写真に撮れる.ガラス・セル内は10^{-10} Torr程度の超高真空なので,磁気トラップが動作していなければ5秒も後に再捕獲して,見える程の数の原子が残っているはずがない.すなわち磁気トラップは機能したのだ... という写真.
実は10時過ぎから髪を切りに行ってて,11時過ぎにスーツに着替えて学校に行こうとしてたところ,Ksさんから電話がかかってきて「磁気トラップ出たよ」と.急いで実験室に行って写真を受け取り,慌ててスライドに追加した.でも他の部分は全くいじらず,あくまで添え物という位置付けにした(これは先生の判断).
質問とその回答(私が答えた部分)
- TMGI先生
- もっと磁場を強くできなかったの?
- ふら回答
- (色々な要因を列挙)を考慮するとあれで限界でした.
- AMMY先生
- B'は大きい方がいいって強調してたけど,B''ってやつは?
- ふら回答
- B''も大きい方がよいのですが,性能の依存性がベキ乗で4倍違う*1のでB''を犠牲にしてB'を大きくしました.
- KND先生
- 銅管で巻くと,太さのせいで,巻き上がる辺りとか斜めになるよね? その影響は?
- ふら回答
- 工夫を重ね,細心の注意を払いました.しかし限界はあり,設計値からのずれの半分はそこの影響です.
- TB
- 銅管に水を通したそうだけど,電流が水に漏れたりしないの? (← 分かってて聞いてるんだよね)
- ふら回答
- 銅製のコイルは水より抵抗が小さいのでそういうことはありません.
- HH先生
- こいるニ芯ヲ入レルト磁場ハモット強クナルヨネ?
- ふら回答
- 私 ソレ ヨク 分カル ナイ ...ダケド 芯 使ウ トキ しゃっとおふ遷移時間 長イ ナル ...ダカラ 芯 使ウ ナイ 方ガ イイ ダロウ
やはり超伝導の先生方からすれば数百Gというのは2桁小さい微弱な磁場に思えるのだろうか.しかし
- 欲しいのは磁場勾配 〜300 G/cmであり*2,磁場の大きさではない
- ミリ秒未満で磁場を切りたい
ので現行の方式(銅チューブを巻いて作った電磁石コイル)を使っている.
英語での質問はさすがに内心びびったが,どうにかなった.冠詞ぐちゃぐちゃで日本人発音でもどうせ実害ないし,言いたい内容さえあれば英語なんてテキトーでも伝わるだろうと思っているので,今後も大して練習はしないだろう.