論文読みゼミ

  • Greiner, Mandel, Esslinger, Haensch and Bloch, Quantum phase transition from a superfluid to a Mott insulator in a gas of ultracold atoms, Nature 415, 39-- (2002)

Mott絶縁体(以下MI)相と超流動(以下SF)相との相転移を冷却原子で実現した話.結晶格子のポテンシャルの代わりは光格子(対向するレーザーの定在波),電子の代わりが冷却したRb原子*1.光格子のレーザーの強度を変えることで,同サイトに複数の原子がいるときの反発相互作用を自由に変えられる.反発が小さいときにはRb原子は光格子全体に広がってSF相を取り,大きくすると各サイトに局在してMI相を取る.それぞれの相の区別は光格子を切って自由に拡散させればよい.SF相では干渉パタンが見える.主にこの干渉パタンを元に分析を進めていく.いっぺんMI相に持って行ってからまた反発を小さくするとSF相に戻ることも確認された.
途中の段階で位相がどうなってるのかとか,コヒーレンスにまつわる問題はなかなかcontrovertialのようだ.

*1:ボゾンである87Rbだから電子とは全然違うと言えば違うんだけど... Bose-Hubbardモデルというのが解析に使われる.