物理における計算機

私が主たる学習対象としている物理の世界は,計算機ととても縁が深い.初期の計算機屋さんはいずれも物理出身だったように思う.
しかしもちろん物理は情報科学とも計算機工学とも等しくはない.物理屋が計算機を見るときのやり方と言えば...

  • 流体シミュレーション等において,「そこにある便利な道具」として「使う」.FortranC++ソースコードを吸って数字を吐く「道具」.最近はキャッシュヒット率や並列性といった内部まで意識することが増えてきたようだが...
  • 量子計算等において,計算機を成り立たせるのに使えそうな非線形現象に注目する.このとき計算機そのものは愛すべき細部を抽象化し過ぎ,豊穣な現象を切捨て過ぎているとして関心を払わない.

とまぁ,粗視化のレベルにおいてちょうど真ん中をジャンプしていることが分かる.「だからいい」とか「悪い」とかは思わないが,折に触れて私はこの構図を思い出す.
もしかしたら,ジャンプせずに真ん中に着地した人はもはや計算機屋になってしまうのかもしれない?