語学マニア?

私は当然ながら中学生,高校生の頃は英語を勉強してたし*1,教養課程の必修語学には初修ドイツ語と初修中国語を選んだ.教養課程の選択科目で(第三外国語向けの)韓国語も取った.これは理系としては割と多い方かもしれない.しかし私などまだ穏やかな方で,第二外国語は既習クラスを選んで高度な授業を受けつつ,第三外国語向けのギリシア語,ロシア語,ラテン語トルコ語タイ語クロアチア語etc. をいくつも取りまくる人なども(文系はおろか理系でも)存在する*2
ここで「どうせ○○語はまだ全然使いこなせてないのだろうに,別の言語に進むなんておかしい」という批判は当然考えられる.実際,私の英語力は母語たる日本語の1/10に及ばないだろうし,ドイツ語はさらに英語の1/10,中国語はドイツ語の1/5程で,韓国語に至っては「ヨン様ー」なおばさんが韓国旅行前に一夜漬けする程度だろう*3.語学マニアの学生も(全体的に私より到達度が高いだろうことはともかく)状況は似たり寄ったりが多いはずだ.ある日本人は,母語の日本語だけを究めるために一生を費す---すなわち文学者,詩人etc. だ.それは別段異常なことではなく,日本語にはそれをするだけの余地がある(別に日本語と日本人に限りはしない).ことほどさように言語とは奥が深いのに,うわべを数か月でつまみ食いし,次に移るというのは正しい時間の使い方なのか.結局何も学ばないのと同じではないのか,という批判だ.
私はそれをもっともなものと思う.いやむしろ私はそちらの立場に立つ.では自分の現状はどうなのか? これに対する言い訳は,今始めないと一生新しい言語に手を出す機会はないと思われることだ.ある言語の初歩的な点を一通り押さえておけば,後は残りの一生かけて,少しずつ書籍や新聞を読み進め,辞書を引き,あるいはその言語の話者と会話をすることで,ゆっくりでも語彙を増やし,生きた表現に触れ,慣用句と表現の持つニュアンスを体得することができる*4.(英語以外の)外国語とあまり縁のない職に就いてから新たな言語を学ぶのは容易ではないだろう*5.私は18歳から20歳までの期間で,ドイツ語と中国語と韓国語に(と言うよりその学び方に)触れておきたいと思ったのだ*6.そして私はSchubertの歌やHesseの小説は好きだし,唐詩は日本語読みでなく原語*7で暗唱したいし,えーと韓国語は... ちょっと弱いけど韓国は隣国なんだからある程度会話ができるようになりたいし...*8 という訳でいずれも私にとって実用性の高い言語ばかりで,その結果モチベイションはそれなりに高い*9
しかし上で触れたような「語学マニア」の学生は,多く*10は「新しく言語を学ぶのが楽しい」ことを強調はするが,その言語で何をしたいのかについて熱く語ろうとはしない.あの人達は10年後もフランス語,ギリシア語,ロシア語,ラt(略)を学んでいるだろうか*11? そしてその点を指摘しても「それは重要なことではない」と言う.私はそういう人達とは一線を画しているつもりだ.
... まとまらないがこんなことばかりもしてられないので筆をおく.あーもう疲れた(ぉぃ
いや,今日の昼間,まさに「語学マニア」と呼べる人を中心に雑談で盛り上がったんだけど,私はイマイチ肯定的に見られなかったんだよね.その場で口にはしなかったけど.

*1:現在,まれに英文メールを書く機会が舞い込むと冷汗を流しはするけど.

*2:さすがに,ある特定の人がそれら全部を取った例を知っているという意味ではない.

*3:さすがにもうちょっと行けるか.一応,1年半やってたしな.

*4:翻訳調の長い悪文キターーーー(笑

*5:留学とか出張はあり得るけど,それらに際して「外国語を勉強する」というのはここで考えているものとは少し違うと思う.

*6:正確には,ドイツ語は高校1年から始めていた.

*7:いわゆる「中国語」は時代と地域で千差万別.現代においてすら地域毎の方言は別の言語と呼べる程で,「フランス語とスペイン語の間よりはるかに離れている」と聞いたこともある.その中において私が使えるのは共通語(北京官話)のみなので,詩の朗読には必ずしも適してはいない.まぁいいでしょ.

*8:いつだったか,新聞広告コンペで「ABC フトロトスト(←入力できなかったがハングルのつもり) 遠い国の読める文字 近い国の読めない文字」とかいうのが入選した記憶がある.しかしあの頃取ってたと言えば毎日新聞か? 毎日は座標軸で(大衆, 左)に位置するんだよね.

*9:さすがにロシア語を勉強してLandau理論物理学教程の原書をコンプ(ぉ)しようとは思わないけど...

*10:そっと教室で話を盗み聞きしたり,または直接話をした結果の,日常語的な「多く」であって,統計的な意味ではない.しかし過度の一般化には気を付けているつもりだ.

*11:私だって怪しいけど.