日報

論文紹介ゼミの続き (Madison, Chevy, Wohlleben, and Dalibard, Vortex Formation in a Stirred Bose-Einstein Condensate, PRL 84, 806--).今日はたまたま駒場の清水研から実験への転向志望のD1の方が見学にいらしていて,その方にも聞かれてしまった... まぁ前回と違って背景となる超流動の一般論にはあまり触れなくて済み,実験結果の解釈をきちんと述べればよかったので比較的きちんとできた.その後,相棒のAくんが Stenger, Inouye, Chikkatur, Stamper-Kurn, Pritchard, and Ketterle, Bragg Spectroscopy of a Bose-Einstein Condensate, PRL 82, 4569-- に関する発表をちょっとだけ.こっちはかなり負担の大きい論文だ... ちょっと読んでも何が書いてあるんだかさっぱり.私のやつの3倍くらい大変.前提知識が(少なくとも見かけ上は)足りな過ぎる.
私の回路でロックしたVortexからファイバで別の定盤へレーザーを導けるようになっている.それを使って自作レーザー(私が作ったものではない)1号機の光と重ねてビートを見ることをやってみた.2つの単色光の波長がずれているとき,重ねたところでは,三角関数の公式
cosωt + cos(ω+2Δω)t = 2cos(ω+Δω)t cosΔωt
に従って光強度にかなりゆっくりの振動 cosΔωt が現れる.これをオシロやスペアナで調べる.Δω の値そのものより,むしろ Δω をピークとするスペクトルの広がりを知りたい.これはレーザーが単色に近いが実は単色でないせいで様々なΔωがあるためにできるもので,どれだけ理想の単色に近いかを計る尺度である.
帰り際,ちょっとだけビートが見えた.